本因坊戦の序列を守る方法

みなさんこんにちは、こてつです。

2020年ごろに囲碁について好き勝手なことを書いたり、急に絵本の寄付を始めた奴(そういえば横浜市の図書館に連絡を取り、受け入れてくださる分館には寄贈をさせていただきました)といえば覚えてる人がもしかしたらいるかもしれません。

本因坊戦の規模が縮小されるらしい

今日は3年ぶりに更新したいと思います。それはやはりこのニュースを見たからです(うまく貼れてなかったらすみません)。

https://hochi.news/articles/20230407-OHT1T51143.html

賞金が2800万円⇒850万円、挑戦者の選抜方式がリーグからトーナメント方式、など大三冠ぽくない感じとなり、序列も5位に後退するらしいです。

「何はともあれ継続してくれてよかった」という感想が多いような印象(棋士の方の発信はこのムードが多い)ですが、それは恐らく事前に廃止の可能性も含めて知らされていたからであり、私個人の率直な感想は「本因坊戦がしょぼくなって残念だな」というものでした。もちろん廃止よりは何百倍もいいですが、大三冠ですらなくなるのは寂しい。

そして規模縮小には新聞社としての経営判断(=囲碁棋戦にお金を出すことに対する価値への疑問)があると思うので、棋戦の魅力やコスパが解決されない限り棋聖戦や名人戦もそう遠くない将来似たような道をたどることになるでしょう。

一人の囲碁ファンとして、囲碁界が盛り上がっていてほしいと思うし、そのためには稼げる業界であることが必要です。稼げない業界には才能が集まらない。

というわけで、「本因坊戦の規模を維持するにはどうすればいいか?」について個人的な提案を書きます。

前提条件について

今回の計算は、以下の前提条件を元に考えてみます。

  1. 目的は賞金2800万円や7番勝負、リーグを維持すること
  2. 対局料はネット検索で出てきた名人戦のデータを参考にする
  3. 対局に関する予算のみを議論する

確認したいことは、「今いくらかかっているか?」「新制度だといくらかかるか?」そして「新制度の予算で賞金、リーグを維持する方法はないか?」ということです。

現行制度だといくらかかってる?

日本棋院のHPで予選の内容を確認しました。

https://www.nihonkiin.or.jp/match/honinbo/078.html

詳細は割愛しますが、第78期の場合を例にとると
予選C:139局
予選B:96局
予選A:73局
最終予選:28局
リーグ:28局
挑戦手合:最大7局
となります。

そして対局料ですが、↓の方の記事を参考にさせていただきました。

予選C:13万円
予選B:20万円
予選A:30万円
最終予選:40万円
リーグ:勝ち80万円、負け66万円
挑戦手合:不明(賞金に含まれることにします)

掛け算すると結果は以下の通りとなります(対局料は勝ち負け関係なく発生)。

予選C:139局×26万円=3614万円
予選B:96局×40万円=3840万円
予選A:73局×60万円=4380万円
最終予選:28局×80万円=2240万円
リーグ:28局×146万円=4088万円
挑戦手合:2800万円+1400万円(仮)=4200万円
合計:22362万円

新制度だといくらかかる?

新制度の詳細を把握していないのですが、適宜仮の値を当てはめつつ計算してみましょう。

対局料が賞金額の低下に伴って3割程度低下したと仮定。
予選Aまでの総額は11934万円×0.7≒8300万円。
最終予選とリーグを合わせて32名で最終予選⇒31局×56万円=1736万円
挑戦手合:賞金850万円、敗者425万円=1275万円
合計:およそ11300万円
賞金、対局料ベースで予算が半減となっています。

結論:予選C廃止、対局料減額でペイできる

ここまでの概算で、予算は11300万円となりました。
それをどう割り振るか。

結論として、対局料の減額と予選Cの廃止で解決できそうなので以下計算します。

まず序列に直結するので賞金額は維持します。計4200万円。

次にリーグ戦。これも8名リーグは維持しましょう。
ただし対局料は少し下げさせてください。勝ち70万、負け50万。
28局×120万円=3360万円。

最終予選も形式は維持して、対局料は下げさせてください。30万円。
28局×60万円=1680万円。

予選Aも同様。対局料は30万円から15万円に。
73局×30万円=2190万円。

ここまでの合計が11430万円。ちょっと超えたけどほぼ賄えました。
予選Aを10万円、予選Bを3万円とか5万円でもいいかもしれません。

予選Cは廃止、あるいは対局料なしで実施するといいと思います。
前年の勝ち星とか賞金ランキング+新入段棋士が予選Bに進出。

あとはM-1のように運営費みたいな名目で参加費を徴収するのもありですね。
2000円×400名=800万円、これを予選BCの対局料にあてることができます。
勝てばいいだけ。

最終結論:選択と集中で序列維持は可能

気分を害された方がいたらすみません。
ただ今回の決定は、日本棋院側が棋士全員を薄く広く守ることを譲らなかったから起こった顛末なのではないかと思っています。

囲碁棋士にも生活があります、それはわかります。

でもプロなら、勝つか魅せるかしないと食っていけないのは当然なはず。

繰り返しになりますが、私は囲碁界が外から見て魅力的であることの一つの条件として、「トップが稼げる」ことは重要であると考えています。人口やスポンサー料が低下傾向にある日本において、囲碁界も何らかの選択と集中、必要ではないでしょうか?

みなさんのアイデアもぜひ教えてください。

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